ワイヤークラフト&アート

ワイアークラフトマスター講習のご案内。(wireなので正確にはワイアーなのですが、便宜上タイトルのみワイヤーと表示しています。)

昨日は@rst二子玉川での2日目でした。「観察➸想像➸造型。」

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僕の講習スタイルには、事前にレシピの配布は有りません。元々、スポーツを30数年やっていたので、こんな感じ。

「じゃあ、今からやりますのでようく観ていてください。」最初に実演を数回、ほぼ無言でお見せします。作っていただく物を目の前で続けて何回か作ってテーブルに並べていきます。ポイントは一切お教えしない段階で「どうぞ」。「ええええ~~。」受講者さんは一応に驚かれますけれど、戸惑われながら試行錯誤を始めます。僕は、皆さんの動きを観て必要と思われることを少しづつアドバイス。全く、要領を得ない方もチャッチャと作る方も。今度は僕が観察者。で、進めるうちにそれぞれの方の問題点をチェック。改めて細かい説明をしながら実演。そうすると、受講者さんはなあんだ、と理解できるんです。

要は、先にコツや気を付けなければならないポイントを5個とか10個とか図説付きのレシピを提示して説明してしまうと、要領のいい方はそのまま作り上げてしまうので問題点を見過ごしてしまったり、慎重な方は注意点が多過ぎて全く手が動かなくなってしまうからなのです。なんとなく出来てしまう。又は、混乱してしまう、必要以上に難しいと感じてしまう。これは僕から見ると、両方とも駄目。前者は、想像力が産まれないし、深く考えないで出来てしまうので人に教えることが出来ない。ワイアーやビーズの経験者でも殆どの方は工具と両手の役割が理解しないままで来た方が多いんです。

右手と左手、工具と手、親指と人差し指、小指のそれぞれの役割。

普段の運動スキルでもそうですけれど、例えば箸を使う時、走る時、階段を昇降する時なんかの動きを分析、解析して身体を動かすということ自体が不要なので、多くの方はそういったスタンスで物事を考えた経験がないんです。

自然に簡単に出来てしまう事は、そこに考えると言う部分が希薄になってしまいます。

僕は、若い時、30年間ほどスポーツをやっていました。途中、プロになり試合に出ながら普段はインストラクションをするのですが、実は僕は左利きなので、初心者の方に教えるには大きな問題がありました。そう、多くの方は右利きなので、僕が実演をしても生徒さんは理解が出来ません。先生がこう立ってこう構えてこう動き出して・・・が、全て左右逆なのですから。基礎が理解出来ている中級者や上級者には問題ないのですが、初級者にはリピートという事から始めなければならないという大問題があるんです。

そこで、僕は自分のやっているスポーツを右利きの動きで中級者レベルまで実演できるように練習をしました。その時に、普段やっている自分の運動スキルを自己分析し、ビデオで解析し、短期間でお見せできるレベルまで仕上げることが必要だったんです。その経験から、何かの運動スキルを教えると言う事には、3通りのスキルが要ると考えたんです。

3通りのスキルとは、自分で実行するセンス。人に教えるセンス。人から教わるセンス

この3つのスキルは似て非なるものなので、得手不得手がありますし、信頼関係とスタンスが重要です。そして、運動スキル(ワイアークラフトにも当てはまるんです。)を習得するには、自分の動きを理解し、3通りのセンスを磨かなければなりません。優秀なスポーツ選手が優秀なコーチになるとは限らない。と言われるようにね。

 

僕の講習のテーマは、観察、想像、造型。

受講者さんが何かを習って創造者になり、いずれ誰かに伝えていくには、よお~く観て、考え、形にする。ことなので、只単に僕の作品をコピーするだけではなく、自分のアレンジによるzenju超え。次の世代にレベルアップして伝承してゆくこと。をテーマに加えていただきたい。短い期間のお手伝いしかできませんが、受講者さんには是非、すばらしい作品を作り出し、スキルを伝えていける作家さんになってほしいと思います。

 

次回は12月26日(水)10時から17時。受講者さん、若干名募集中です。